MLMとは?基本の仕組みと合法性を分かりやすく解説

MLMという言葉を聞いたことがあるけれど、実際にどんな仕組みなのか、なぜよく話題になるのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
MLMとは「マルチレベルマーケティング」の略で、日本語では「連鎖販売取引」とも呼ばれるビジネスモデルです。
この仕組みを正しく理解することが、副業として始めるかどうかの判断材料になります。
まず最初に、MLMとは何かという基本的な定義から説明し、その構造、ネットワークビジネスとの違い、そして日本での現在の状況について、できるだけ分かりやすくお話ししていきます。
MLMの定義と基本構造
そもそもMLM(マルチレベルマーケティング)とは?
MLMは、ある会社の商品やサービスを自分自身で使いながら、他の人にも紹介して販売していく方法です。
そして、その紹介した人がまた別の人に紹介すると、その紹介によっても報酬が入る仕組みになっています。
つまり、商品を売った人だけでなく、チームを作ってその中で売り上げが生まれると、みんなで報酬を分け合うようなイメージです。
たとえば、あなたが化粧品を気に入って、それを友だちにすすめたとします。
その友だちが買ってくれたら、あなたに紹介料が入ります。
そして、その友だちがさらに誰かに紹介して買ってもらえたら、あなたにもまた少し報酬が入る、というような形です。
商品販売と報酬の仕組み
MLMでは、商品を買って使うことがスタートです。
その商品が良いと思えたら、他の人にすすめて販売することができます。
販売によって収入が入り、その収入は「紹介した人数」や「その人たちがどれだけ販売したか」によって変わります。
多くのMLMでは「ランク制度」というものがあり、一定の売り上げや紹介人数を達成すると、ランクが上がって報酬も増えます。
ただし、その分、責任や努力も必要になります。
ネットワークビジネスとの違いは?
MLMとネットワークビジネスはほぼ同じ意味で使われることがありますが、細かく見てみると違いがあります。
ネットワークビジネスは、人と人とのつながりを活かして商品を販売するという広い意味で、MLMはその中の一つの形態です。
また、MLMには報酬が階層的に発生する仕組みがあるのが特徴です。
つまり、自分の下にいる人(紹介した人やその人たち)が売り上げを出せば、自分にも収入が入るという点が、ネットワークビジネスの中でも特にMLMが注目されやすい理由の一つです。
日本におけるMLMの現状
日本ではMLMという言葉よりも「ネットワークビジネス」や「マルチ商法」という言い方のほうが知られているかもしれません。
中には悪いイメージを持っている人もいますが、実は日本でも多くの企業がMLMの仕組みを使って商品を販売しています。
ただし、法律によって厳しくルールが決められていて、きちんと届出をして、決まったやり方で営業しなければなりません。
きちんと運営している会社もあれば、法律を守らずにトラブルを起こす会社もあるため、注意が必要です。
MLMはなぜ怪しいと言われるのか?その理由と実態

MLMについて調べていると、「怪しい」「やめたほうがいい」という声を耳にすることがあるかもしれません。
なぜMLMがこうしたイメージを持たれてしまうのか、その理由にはいくつかの共通点があります。
この章では、MLMが「怪しい」と思われる3つの主な理由、実際に起きたトラブルの例、そして信頼できるMLMの見分け方について解説します。
怪しいとされる主な理由3つ
強引な勧誘や断れない環境
MLMが怪しまれる理由の一つに、勧誘のやり方があります。
たとえば、友人から食事に誘われて行ってみたら、実はMLMの話をされて、断りにくい空気になってしまった…というようなケースです。
このように、最初に目的を言わずに誘ってきたり、断ると人間関係が悪くなりそうで言い出せなかったりするような勧誘は、相手に不信感を与えてしまいます。
特に、親しい人間関係を利用してビジネスの話を持ちかけることに抵抗を感じる人は多く、それが「怪しい」と思われる原因になっています。
高額な初期費用と収益構造
MLMでは、最初に商品を買って始めることが多いですが、その金額が数万円〜十万円以上する場合もあります。
もし内容をよく知らずにお金を払ってしまうと、「だまされた」と感じる人もいます。
また、「人を紹介すればするほど稼げる」といった仕組みは、一部の人が利益を得て、それ以外の多くの人が損をするという印象を与えることもあります。
これはMLMの本質ではなく、運営方法や伝え方に問題があるケースが多いのですが、結果的に「MLM=危ない」というイメージが広がってしまいます。
ピラミッドスキームとの混同
ピラミッドスキームとは、商品がほとんどないか、形だけの商品で、会員を紹介することだけでお金を稼ぐ仕組みのことです。
これは違法とされていて、詐欺の一種とも言えます。
MLMは、実際に商品やサービスがあって、それを通して収入が得られる仕組みなので、ピラミッドスキームとは違います。
しかし、仕組みが似て見えるために、混同されてしまい、「怪しい」と思われることが多いのです。
実際のトラブル事例と対策
たとえば、ある若者が友人に誘われてMLMに参加し、高額な教材や商品を買わされたものの、結局ほとんど収入が得られなかったというケースがあります。
また、断っても何度も連絡が来たり、辞めたくても辞められないような状況になったという相談も消費者センターに多く寄せられています。
こうしたトラブルを避けるためには、「すぐに決めず、一度持ち帰って考える」「契約書をしっかり読む」「家族や第三者の意見も聞く」などの基本的な対策がとても大切です。
信頼できるMLMの見分け方
すべてのMLMが怪しいわけではありません。
信頼できるMLMにはいくつかの特徴があります。たとえば、会社の情報が公開されていて、商品の品質や価格が適正であり、強引な勧誘をしていないことなどが挙げられます。
また、事前にビジネスモデルの説明を丁寧に行い、強制的な購入や契約を迫らない企業は、比較的安心して参加できる可能性が高いです。
ネットの口コミや、国民生活センターの情報も参考にすると良いでしょう。
MLMは違法なのか?合法と違法の境界線とは

MLMという言葉を聞いたとき、「それって違法なんじゃないの?」と心配になる方も多いかもしれません。
確かに、MLMに似た仕組みの中には法律に違反しているものもありますが、すべてのMLMが違法というわけではありません。
この章では、MLMと違法マルチ商法の違い、日本の法律でどのように規制されているのか、そして合法的に活動するために知っておくべきポイントをお伝えします。
MLMと違法マルチ商法の違い
まず知っておいてほしいのは、「MLM=違法」ではないということです。
MLM自体は、商品やサービスを人から人へ紹介する販売方法であり、ちゃんと法律の枠組みの中で行えば問題はありません。
一方で「違法マルチ商法」と呼ばれるものは、実際には商品を売ることが目的ではなく、新しい会員を勧誘することだけで報酬を得ようとするものです。
これは、商品に価値がなかったり、販売よりも勧誘ばかりが目的になっているため、法律に違反している可能性があります。
簡単に言えば、「ちゃんとした商品があり、それを買いたい人がいるかどうか」が、MLMと違法なマルチ商法を分けるポイントです。
日本の法律と規制(特定商取引法など)
日本では、MLMに関する活動は「特定商取引法」という法律によって規制されています。
この法律では、以下のようなルールが定められています。
- 勧誘の際には「これはMLMの話です」と最初に説明しなければならない
- 契約する前に商品の内容や価格、返品について説明しなければならない
- 一度契約しても、一定期間内ならキャンセル(クーリングオフ)できる
これらのルールを守っていれば、MLMとして活動することは合法です。
ただし、これらのルールを知らなかったり、守らないまま活動すると、法律違反とみなされる可能性があります。
また、悪質な会社はこうした法律を無視して営業している場合もあります。
そのような会社に関わると、自分自身もトラブルに巻き込まれてしまうことがあるので注意が必要です。
合法的に活動するためのポイント
MLMを合法的に行うためには、まず自分が関わる会社がきちんと法律を守って運営しているかを確認することが大切です。
会社の登記がされているか、過去にトラブルがなかったか、口コミや評判はどうかを調べましょう。
次に、自分自身の活動も法律を意識する必要があります。
たとえば、友人を勧誘する際には「これはビジネスの話だよ」と最初に伝えるようにしましょう。
もし相手が乗り気でなければ、無理にすすめないことも大切です。
また、契約内容をしっかり説明できるように、自分でもそのビジネスモデルや商品について理解を深めておく必要があります。
MLMは正しい方法で行えば、決して違法ではありません。
しかし、少しでもルールを知らずに行動すると、思わぬトラブルを招くことがあります。
だからこそ、正しい知識を身につけ、安心して活動できるようにしておきましょう。
MLMのメリットとデメリットを正しく理解しよう

MLMに興味を持ったとき、多くの人が気になるのが「本当にやる価値があるのかどうか」という点です。
何事にも良い面と悪い面があるように、MLMにもメリットとデメリットがあります。
それらをきちんと理解することが、後悔のない判断につながります。
この章では、MLMのメリットとデメリットをそれぞれ分かりやすく紹介していきます。
MLMのメリット
低資本で始められる
MLMは、一般的なビジネスと比べて初期費用が少なく済むのが特徴です。
お店を開くには数百万円かかることもありますが、MLMでは数万円程度の商品を買うことでスタートできます。
そのため、会社員や学生、主婦など、資金に余裕がない人でも始めやすいのです。
もちろん、商品の種類や会社によって初期費用は異なりますが、基本的には「自分が使う商品を買うこと」が出発点になります。
自分が納得して使える商品であれば、無理なく始められるというのも魅力です。
スキル次第で高収入も可能
MLMでは、自分の頑張りや工夫が報酬に反映されやすいです。
たとえば、商品をしっかり理解して、それを上手に紹介できるようになれば、販売数が増えて収入も増えていきます。
また、自分が紹介した人たちがさらに販売活動を行うと、その分も報酬になります。
つまり、ただ言われたことをやるだけの仕事ではなく、自分なりに工夫し、学び続けることで結果がついてくるのが、MLMの特徴でもあります。
仲間とのネットワーク形成
MLMでは「チームで活動する」という要素が強く、人とのつながりを大切にするビジネスモデルです。
同じ目標を持った仲間と一緒に学び、助け合いながら進めていくことができます。
そのため、孤独を感じやすい副業の中では珍しく、「誰かと一緒に頑張る」という感覚を持つことができるのです。
新しい人間関係ができたり、ポジティブな仲間に出会えたりするのも、MLMの魅力の一つと言えるでしょう。
MLMのデメリット
成功までに時間と努力が必要
MLMは簡単に稼げるわけではありません。
スタートは誰でもできますが、結果が出るまでには時間と努力が必要です。
特に最初のうちは、商品の知識を学んだり、人に伝える方法を考えたりと、地道な活動が求められます。
中には「すぐに稼げる」と思って始めたものの、思ったより大変で途中であきらめてしまう人もいます。
MLMはコツコツ積み上げるビジネスだということを理解しておくことが大切です。
人間関係のトラブルリスク
MLMでは、知り合いや友人を紹介することも多いため、人間関係がこじれてしまうことがあります。
たとえば、商品をすすめたことで相手に不快な思いをさせてしまったり、ビジネスの話で誤解が生まれたりすることもあります。
そのため、「無理にすすめない」「相手の気持ちを大切にする」といったコミュニケーションがとても重要になります。
継続的な活動が求められる
MLMでは、一度活動しただけでは報酬は安定しません。継続的に商品を紹介し、新しいメンバーをサポートしていく必要があります。
つまり、継続的な努力が求められるビジネスモデルです。
そのため、仕事や家庭と両立しながらコツコツ続けられる人でないと、途中で苦しくなってしまうかもしれません。
逆に言えば、「自分で時間を決めて地道に続けられる人」にとっては、着実に成果を出せる可能性もあります。
MLMは本当に稼げる?成功者の共通点と現実

MLMを始める上で、多くの人が一番気になるのが「実際にどれくらい稼げるのか?」という点です。
SNSやYouTubeなどで「月収100万円!」といった情報を目にすることもありますが、現実はどうなのでしょうか?
この章では、稼げる人と稼げない人の違い、成功している人たちの特徴、そして実際の収益モデルや事例を紹介しながら、MLMのリアルな一面をお伝えします。
稼げる人と稼げない人の違い
MLMで稼げる人とそうでない人には、いくつかの明確な違いがあります。
まず、稼げる人は「継続する力」があります。短期間で結果を求めるのではなく、地道に活動を続けることで、信頼や実績を積み重ねていきます。
また、稼げる人は商品をしっかり理解していて、その魅力を自分の言葉で伝えられるのが特徴です。
自分が心から良いと思える商品を扱っているからこそ、自然な形で紹介でき、相手にも信頼されやすいのです。
一方、稼げない人は「売り方」や「伝え方」がわからないまま始めてしまい、すぐに挫折してしまうケースが多く見られます。
また、「簡単に稼げる」という誤解をしている人ほど、現実とのギャップに悩み、早々に辞めてしまう傾向があります。
MLMで成功している人の特徴
MLMで成功している人には、いくつかの共通点があります。
- 自分で学ぶ姿勢がある
- 商品やビジネスモデルに誇りを持っている
- 人との信頼関係を大切にしている
- 感謝や共感の気持ちを忘れない
また、成功者は「売ること」よりも「価値を伝えること」に重点を置いています。
ただモノをすすめるのではなく、「この商品があなたの悩みをどう解決できるか」という視点で話すことで、自然と信頼が生まれるのです。
さらに、メンバーを育てる力も大切です。
自分ひとりが頑張るのではなく、チーム全体で成長していけるように支援できる人は、長期的に安定した成果を出しやすくなります。
稼げる仕組みと実例紹介
収益モデルの具体例
MLMの報酬体系は会社によって異なりますが、一般的には「直接紹介ボーナス」「チームボーナス」「リーダーボーナス」などがあります。
たとえば、ある商品を販売すると3,000円の報酬が入り、その人がさらに誰かに販売すると、あなたにも追加で1,000円が入るといった形です。
売上が上がるごとにランクが上がり、報酬率も高くなる仕組みを採用している会社も多くあります。
つまり、最初は少額の報酬でも、継続してチームを育てていけば、収入のベースが大きくなる可能性があります。
月収10万円を達成した事例
たとえば、ある女性(30代主婦)は、育児の合間にMLMを始めました。
最初の2ヶ月は商品の使い方や伝え方を学びながら、身近な友人に紹介。
その後、信頼できる人たちとチームを作り、定期的に勉強会を開くようにしました。
3ヶ月目には、自分とチームの売上が伸び、月収10万円を達成。
そこからは口コミやSNSなどで紹介する機会も増え、半年後には安定して毎月10万円以上を得られるようになりました。
このように、「短期間で一気に稼ぐ」というよりは、「信頼関係と継続」によって少しずつ結果がついてくるのがMLMの特徴です。
初心者がMLMを始める前に知っておきたい5つのステップ

MLMに少しでも興味を持った方は、「じゃあ、どうやって始めればいいの?」と思うかもしれません。
ただ何となく始めるのではなく、事前に準備や確認をしておくことで、後悔のないスタートができます。
この章では、初心者がMLMを始める前に知っておくべき5つのステップを、順を追って解説していきます。
ステップ1:信頼できる企業選び
まず最初に大切なのは、どの企業のMLMに参加するかという点です。
商品がしっかりしていることはもちろん、会社の実績や評判、法令遵守の姿勢なども確認しましょう。
具体的には、会社のホームページがきちんと作られているか、問い合わせにちゃんと対応してくれるか、過去に行政指導などを受けていないかをチェックするのがポイントです。
信頼できる企業に所属することで、自分自身も安心して活動できます。
ステップ2:商品の魅力を理解する
次に、その企業が扱っている商品についてしっかり理解しましょう。
自分で実際に使ってみて「これは人にすすめたい」と思えるものでなければ、相手にも響きません。
商品が健康食品であれば成分や効果、スキンケアなら使用感や変化など、自分の体験談を交えて話せるようになると説得力が増します。
商品に愛着を持てることが、長く続ける上で大切なモチベーションになります。
ステップ3:教育制度やサポート体制を確認
MLMの活動は、最初からすべてを一人で行うのではなく、先輩やリーダー、会社の研修などのサポートを受けながら進めていきます。
どんな研修制度があるのか、質問しやすい環境があるのか、オンラインでの学習はできるかなど、教育体制がしっかりしているかを確認しましょう。
初心者にとって、学びやすさや相談しやすさは非常に大切です。
ステップ4:家族や周囲の理解を得る
MLMを始める際には、できれば家族やパートナーの理解を得ておくと安心です。
収入や時間の使い方が変わるかもしれないため、きちんと話し合っておくことがトラブルを防ぎます。
また、MLMに対して不安や偏見を持っている人もいるかもしれません。
そのような人には、「怪しいことをするわけではない」「ちゃんと商品を使って、その魅力を伝えていきたい」と丁寧に説明することが大切です。
ステップ5:無理のない目標設定から始める
最後に、スタートする際は「月に1万円の副収入を目指す」といった、現実的で無理のない目標を立てましょう。
高すぎる目標を立ててしまうと、うまくいかなかったときに落ち込んでしまいます。
まずは身近な人に紹介してみたり、商品を自分で使ってSNSで感想をシェアするところから始めるのが良いでしょう。
そして、徐々に学びながら活動を広げていくことで、自信もついていきます。
焦らず、自分のペースで進めていくことが、MLMを長く続けるためのコツです。
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